かの昔から、式根島はリアス式の入り江と黒潮に恵まれた国内屈指の磯釣りフィールドです。しかし、時には断崖を上り下りしたり、磯から磯へ飛び移るような移動をする磯釣りは十分な準備と正しい知識がなければ、命に係わるリスクを伴います。基本的に磯釣りは、釣りに充分慣れた中級者から上級者が自己責任で楽しむものです。

危険がともないますが、それだけの魅力を感じて多くの釣り師が磯で竿を振ります。さまざまな釣り場がある式根島。比較的、安全な磯から経験を積んでみてください。

式根島の磯の特徴

式根島は周囲約12kmの火山島で、複雑に入り組んだ海岸が特徴です。本流が流れることも多く、40㎝を超えるメジナや青物(キハダマグロ、ヒラマサ、カンパチなど)、石鯛・石垣鯛、フエダイにタマンの良型を狙えるほか、時にはクエ(モロコ)も上がります。

釣り場は式根島の全周に渡って点在していますが、北~西~南側は断崖が多く、徒歩で行ける場所は限られています。比較的、行きやすい磯は島の中心地からも近い東側に集中しています。

周りの島々を見つめながら、離島らしいダイナミックな釣りを楽しめるのが最大の魅力です。また、式根島は小さいため、島内移動距離が短く、釣果が悪ければ、ほかの釣り場に移動しやすいメリットがあり、フットワークが軽い釣り師が多いのが特徴です。

地磯釣り場・ポイントの探し方

1.式根島釣り場情報

式根島マガジンの「式根島 釣り場情報」コーナーに、主だった釣り場の一部を掲載しています。到達ルートや釣り座の写真、動画など。磯釣りの釣果は「式根島の釣果|釣ったど!獲ったど!」コーナーで一部ご覧いただけます。

2.式根島観光協会が提供する釣り場MAP

式根島観光協会が提供する釣り場MAP(以下引用)を見ると、式根島の釣りスポットの全体像がつかめます

雑誌で探す

2023年発売の「空撮 伊豆諸島釣り場ガイド 大島・利島・新島・式根島 (COSMIC MOOK) 」に式根島の磯情報が掲載されています。

その他

釣り場情報アプリや個人のブログなども参考になります。当サイトもですが、情報は過去のものです。最新情報でないことに留意し、アプローチの崩れや立ち入り禁止など現地の状況を最優先しましょう。

アプローチが易しい磯

式根島で楽に入磯できる代表の釣り場を2つ紹介いたします。

持ち物と装備

基本的に、磯釣りは「危険」であるという前提を持ち、しっかりと必要な装備をしてリスクを減らしてください。また、行く場所にもよりますが、急峻な崖を降りたり、足場の悪い岩場を移動するため、極力「両手を空ける」ことが安全につながります。

【必須装備】

タックルやクーラーボックス、玉網などの基本道具のほかに、特に必要なものをまとめました。

  • ライフジャケット
    万が一の転倒や衝撃から身体を守るため、膨張式(ガス式)ではなく、浮力材が内蔵されたベストタイプが必須です。固型式は岩場での擦れや破損リスクがなく、雨や波で膨張してしまうことがありません。クッション代わりになり、落水後すぐに浮上できます。必ず股紐(股ベルト)を装着しましょう。
  • 磯靴、スパイクブーツスパイクシューズなど
    岩や海藻で滑らない、専用のシューズが必要です。フェルトスパイクが便利。
  • グローブ
    ガサガサとした磯の岩や貝は手を切ります。魚を扱う際の怪我も防止します。
  • 飲料(水)
    脱水症を防ぎ、ケガをしたときに洗浄できます
  • 応急手当グッズ
    ケガをしても自力で戻らなければいけません。絆創膏や止血道具、固定できる三角巾など応急手当グッズを持参しましょう。

【あったほうがいいもの】

  • GPSアプリ(ヤマレコ(みんなのあしあと)、YAMAP等)
    インターネットに接続できない場所でも、あらかじめ地図をダウンロードしておくことでアプローチルートと現在地を確認し、迷い込みを防止。
  • 防水ケース
    スマホはいざというときの安全ツールでもあります。しっかりした防水ケースに入れて首からかけ、落水しても使えるようにしましょう。
  • 予備バッテリー
    スマホのバッテリー切れに備えます。
  • 背負子(しょいこ
    行く場所にもよりますが、磯バッグやクーラーボックスをまとめ、両手をフリーにする背負子が便利です。式根島の磯への道は狭く急なため、手持ちでの移動は極めて危険です。

磯釣り基本ルール

  • コマセや血、うろこなどを掃除
    釣り終了後は、必ずバケツで海水を汲み、岩場を洗い流してください。100均のミニブラシなどを持参するとよいでしょう。死んだ魚も放置しないこと。
  • ゴミの回収
    ラインの切れ端や仕掛け、飲食したものやタバコの吸殻など、必ず持ち帰ること。
  • 密漁の厳禁
    漁業権の対象となるイセエビ、サザエ、トコブシ等の採捕は法律で禁じられています。すぐリリースしましょう。
    また、クロマグロ(30kg未満)は原則全てリリース対象です。30kg以上も毎月採捕禁止期間が設けられますので、水産庁の最新情報を確認してください。

密漁を見かけたら、直ちに以下にご連絡ください。

にいじま漁業協同組合 式根島事業所(旧:式根島漁協)
TEL 04992-7-0006
新島村役場 産業観光課 水産係
TEL 04992-5-0284(内線215)
新島警察署
TEL 04992-5-0381(署代表)

磯釣りの注意点

  • 宿にどこで釣るか伝える
    事故などで時間になっても戻らないときなど、救助のきっかけになります。
  • 一人で行かない
    特にアプローチが遠い、危険個所がある磯には一人で行かないようにしましょう。
  • 設置ロープを過信しない
    磯への降り口などにロープや足場が設置されていることがありますが、海風や紫外線で劣化(腐食)している可能性があります。体重をかける前に必ず目視と手応えで確認し、少しでも不安があれば使用せず、いざとなれば引き返す勇気を持ってください。
  • 急な高波への警戒
    「一発波」のような前触れのない大波に注意してください。荷物は必ず高い場所へ置き、海から目を離さないでください。
  • 危険な魚に注意
    磯ではケガをしてもなかなか手当を迅速に受けられません。エイやツボ、その他毒魚など十分に注意してください。
  • 海老網のある場所で釣りをしない
    冬の時期、式根島では伊勢エビ漁をしています。海老網がある場所では釣りができません。
  • 互いに譲り合って気持ちの良い釣りを
    式根島に磯はたくさんあります。狭い釣り座に無理に入ったりせず、臨機応変に行動しましょう。

中止の判断基準(こういうときは釣りをしない)

  • 波浪注意報・警報時
    波高が2.5mを超える予報時は磯に入らない。
  • 強風時
    10m/s以上の風は転落やライントラブルのリスクを急増させます。
  • 強雨、濃霧時
    帰路が見えなくなり、遭難のリスクが高まります。
  • 体調不良時
    険しい道のりでの移動は、想像以上に体力を消耗します。万全の体調で臨みましょう。

緊急時の連絡先

万が一の時に頼りになる連絡先です。

  • 海上での事故
    118番(海上保安庁)
  • 怪我・急病
    119番(新島村役場)
  • 新島警察署 式根島駐在所
    04992-5-0381
  • 式根島診療所:
    04992-7-0017

よくある質問 (FAQ)

Q
携帯の電波は入りますか?
A

島の主要部や高い場所は比較的入りますが、特に島の西側や崖下は圏外になる可能性が高いです。必ず事前に「どのポイントに行くか」を宿泊先に伝えてください。

Q
渡船はできますか?
A

式根島の渡船は、式根館の海晃丸さんでお願いできます。釣り場にも詳しくとても頼りになります!

式根館海晃丸
Q
おすすめの磯はありますか?
A

磯選びは、その日の風向きや潮の様子で決めるといいと思います。

Q
磯は大物が釣れますか?
A

式根島の場合、桟橋からでも大物の釣果がたくさんありますが、磯はやはり攻めている人の数が違いますし、魚影の濃さを独占できるメリットがあります。また回数を通って、潮通しや流れ方の癖などをつかむことで攻略的な釣りが楽しめます。

Q
運べないような大物が釣れたらどうしましょう
A

リリースするか、現地である程度、解体して運ぶ方が多いようです。