
わが愛しのタカベ
6月の式根島行きのポイント
6月末。どうにも釣りがしたくなって、またまた有休を追加して6月2回目、2泊で式根島入りです。ここのところ式根島を訪れても釣り以外の用事が多く、じっくり釣り座に入れていませんでした。今回こそ、のんびり式根島らしい釣りをしたいものです。
さて、竹芝に到着すると、前回に続いて、またまた師匠連がおりました。師匠連は真夏の7月、8月は釣りをしないので6月に2回式根入りすることにしたのです。本来なら6月は梅雨ですが、最近は気候が変わったのか、それとも式根島の環境かわかりませんが、穏やかに晴れる日も多い気がします。日差しは強いものの、真夏ほど暑くありませんので、快適に釣りが楽しめます。さらに、魚の活性もよい印象です。
ちなみに、6月の週末に大型客船さるびあ丸で式根島に行くチャンスは2回しかありません。この時期、さるびあ丸は、尾道にドック入りする橘丸の代船として、三宅島や八丈島に向かう三八航路に就くのです。そのため、この時期は、高速ジェット船がメインの渡島手段となります。
釣りは、手荷物も多くなりますし、早着することもあり、特に行きは大型客船さるびあ丸に乗りたいもの。そんな釣り師特有の思惑が一致して、今月は2回、師匠連と乗り合わせることになったのです。
というわけで、一緒にさるびあ丸に乗り込みます。乗客もオンシーズン前とあって、ほどよい混み具合。6月は値段も高くなく、おすすめです。

甲板で、お酒片手に、ほどほどに?釣り談義をして0時過ぎに就寝。私ほどになると、大島到着時の爆音放送も気にせず、ぐっすり眠れます。起きるのは大体、7時半ごろの利島あたりです。甲板に出てみると、梅雨の晴れ間そのものです。しかし利島って見る角度でほんと形が変わりますね。


ひだぶん畑チェック
到着したらば、まず、ひだぶんの畑をチェックします。女将おみつが最近やる気を出して、ばぁに教わりながら畑仕事に熱を入れています。砂質の式根島では、カボチャやスイカなどの瓜科、マメ科、ジャガイモ、サツマイモ、あさつきやラッキョウなどがよくできるようです。トマトやナスは雨が降らなければどうしようもありません。


ちなみに、私は10年くらい畑を耕していた経験があります。もともとは30坪くらいだったのですが、あまりにきちんと手入れをして立派な畑を作るため(直訳:草むしりをするため)、次々と農家から「無料で畑を借りてくれ」と頼まれ、気づいたら畑は3か所、100坪になっていました。好奇心、探求心が強いため、ピンときた伝統野菜やイタリア野菜まで次々育て、100種類以上は経験したのではないでしょうか。
しまいには、野菜ばかり食べて、栄養失調になり、鳥目になってしまいました。
幼いころに、さんざん畑仕事を手伝わされた画伯は、その時に野菜の天敵となる生物や病害に興味を抱いて植物病理学の道に進み、現在は柑橘類の研究に就いておりますので、何がどうなるかわかりません。
6月の釣り
ちゃんと昼には桟橋で釣りを始めました。カゴ釣りと足元の二刀流です。今回は当記事も久しぶりに釣行エッセイになりそうで何よりです。

さっそく35㎝くらいのイサキが釣れました。イサキの旬は5〜7月。この時期は白子も卵もパンパンで、最高のおいしさとなります。積極的に狙っていきます。


最終日はジェット船だったので、午前中も釣りをし、3日間、満喫することができました。大き目の針のカゴ釣りだと40㎝くらいのムロアジが釣れるのがありがたい。逆に小さいのはほとんどかかりません。





なかでも嬉しかったのは、まさかのタカベです。25㎝くらいあり、なかなか型がよいです。
なぜ、「まさか」かというと、タカベというのは大変目がよい魚で、本来は細い糸と小さな針を使ったサビキ釣りで釣る魚です。式根島にはタカベ釣りの名人がおり、リールがついていない延べ竿となんとカゴまで手作りしたこだわりの仕掛けで、タカベの群れが入ると手返しよく釣りまくります。

私は基本的に大物狙いの強欲タックルなので、糸は太く、針はでかく、タックルは強いと、まったくもってタカベが釣れるような組み合わせではありません。しかし、今回は、カゴ釣りのオキアミにタカベがかかりました。10号の伊勢尼針でよく釣ったものです。上がってきたときは思わず三度見です。
タカベというのは、伊豆諸島北部の島々にとって、特別な魚です。式根島が属する新島村が定めた「新島村の魚」でもあり、東京都の魚ともいわれます。式根島の島民に「式根島で一番おいしい魚はなんですか?」と聞けば「タカベ」と答える人は多いでしょう。
はじめて自分で釣ったタカベは大事に持ち帰ることにしました。おいしい魚がたくさん釣れて、釣り欲が大いに満たされた6月の式根島釣行でした。
タカベを釣って食べてみたい方は、サビキ釣りができるタックルを持参するか、宮房商店でレンタルしてください。仕掛けとアミコマセも宮房商店で「タカベを狙いたい」といえば最適な組み合わせを教えてくれるはずです。ただし、簡単ではありませんよ。
タカベ料理
式根島では昔からタカベ漁が大変盛んでしたが、今も残る漁師はただ一人。4~6月あたりに式根島でタカベと運良くめぐり合わせたら、味わっていただきましょう。
タカベの英語名は「イエローバターフィッシュ」。その名の通り、身の全体に脂がのり、特に内臓周りの甘味とコクが最高です。この脂を身にまぶしながら食べられるのは、漁師が刺し網でとったタカベならではです。タカベがコマセを食ってしまうと、内臓を出して料理せざるを得ません。


結局、さらにタカベをお土産にいただいたので、帰京してからも、タカベパーティ開催です。
タカベは煮ても焼いてもおいしい魚です。個人的には炙り刺しと唐揚げがおススメです。「噛めば噛むほど味がでる」そんな魚で、たくさん獲れた昔は大衆魚でしたが、今は一匹1,000円も珍しくないレアな高級魚になりました。都会では、回っていない寿司屋や割烹料理店が仕入れる魚になっています。




思い出ギャラリー




今回釣った魚
タカベ イサキ アオムロ イスズミ ヤマブキベラ
↑黄色は食べやすく美味しい魚(当社比)
今回のお料理(2泊分)






調理のポイント
今回は食べたいものを、組み合わせ考えず(笑)食べたいだけ作りました。長いもとメロン、国産レモン、生ハム、ハーブ類は持参です。あとは島の商店で購入しました。
よりぬきレシピ
書いた人

こんにちは。私は、「自分で釣った魚で料理を作って、美味しいお酒を飲むため」に式根島に通っています。この「今宵もしきねでバエパッチョ」が式根で釣りをやってみるきっかけになったり、自炊民の多少の参考になれば幸いです。






