
君の名は。
穏やかな晩秋の式根
11月2回目の3連休は、前回の時化模様と違い、穏やかな凪に恵まれました。こんな爽やかな航海は貴重ですが、今回は師匠連が同乗し、当然夜更けまで釣り談義で酒盛りと相成り、当然のごとく新島まで爆睡です。

晴れに晴れたり。見事な新島ミルキーブルーに見とれます。波やうねりで海底の白砂が巻き上げられ澄み切ったブルーを濁らせ、独特なパステルカラーのような色彩を生み出します。
さるびあ丸のファンネル(煙突)も秋空に映えまくりです。


東海汽船の社旗が記されたファンネルについては、以下の記事をご一読ください。
ちなみに、さるびあ丸のファンネルから延びるマストは当初は白色でしたが、すすで汚れるためか、2025年4月のドック入りで黒色に塗り替えられました。デザイン的には白が爽やかだけど、しゃあないですね。


さて、向こうに見えるは、これから降り立つ式根島。背後の天上山がそびえる神津島と対照的です。

ひだぶんのバァ(2026年現在95歳)が、初めて飛行機に乗ったときに式根島を空から見下ろして「こんな『ぺっちゃんこな島』に自分が住んでるとは夢にも思わなかった!」と驚いたそうです。
式根島の伊勢海老漁
無事に到着したものの、前回、前々回に続いて今回も、釣りをしている暇がほとんどありません。
何をしていたかというと、伊勢海老漁に同行したり、引き上げた網をさらける(獲物を外す)ところを見たり、式根島の生物に一番詳しい先生に教えを受けたりしていました。
伊勢海老漁はタイミングがあえば、という感じだったのですが、たまたま到着日が条件が良いということで急遽、船に乗ることになりました。重要な口開けの日に同行を許した漁師さんには感謝しかありません。

式根島伝統の伊勢海老漁については、こちらの記事をぜひご高覧ください。

君の名は。
所用終了後、5時間くらい竿を出すことができました。なかなかの賑わいを見せる秋の野伏桟橋。暑くもなく、寒くもなく、師匠連とちょいちょい釣り談義を挟みながら、快適な釣りを楽しみました。

肝心の当たりは餌取りが多く、私もあっちこっちで話し歩いて、おとなしく釣り座に入ってませんので、当然釣れません。
そんな時、向こうで釣っていた師匠連・最長老のMさんが「こんなの釣れたんだけど何だろう?50年以上釣りしてるけど、こんなの見たことない」と、魚を持ってきました。

ブダイの仲間なのはわかりますが、その場で同定できません。ブダイも多種多様な上、オスメスで色合いが異なることや個体差もあって、お手上げです。その場で軽く調べて(スジブダイのメスかな~)と当たりをつけつつも、結局「ブダイの仲間だと思います」としか答えられませんでした。
スジブダイだとしたら、琉球諸島あたりの南方が生息地で、幼魚のまま流れ着いてもこの海域では年を越せない死滅回遊魚です。2017年8月に始まり終わりを告げた黒潮大蛇行の恩恵で生き延びていた個体なのでしょう。リリースしましたが、おそらく、この冬、本来の海水温に戻るであろう式根島で一生を終えると思うと、食べてみてもよかったような気がします。
※その後、魚に詳しい水産科の大学生にも尋ねたところ、やはり「スジブダイではないか」とのことでした。
16時半、すっかり早くなった日没でアーベントロートに染まる新島を眺めて納竿。秋の夜長の宴会で、今回の旅を締めくくることにしましょう。

新島のアーベントロートに興味がある方はこちらもどうぞ
「自分で釣って、さばいて、飲む!」というコンセプトから、やや外れつつある当コラムですが引き続きご愛読いただけましたら幸いです。
思い出ギャラリー
到着した竹芝とさるびあ丸の風景です。オフシーズンの落ち着いた雰囲気が漂っています。


今回釣った魚
なし
今回のお料理(2泊分)
ナラタケやクリタケなど天然きのこの菊花おろし和え、天然きのこ入り山形風雑煮、納豆チーズ麻辣たれ、豆腐のゴマソースを作りました。立派な銀杏とえのきの炊き込みご飯は女将作です。





よりぬきレシピ
書いた人

こんにちは。私は、「自分で釣った魚で料理を作って、美味しいお酒を飲むため」に式根島に通っています。この「今宵もしきねでバエパッチョ」が式根で釣りをやってみるきっかけになったり、自炊民の多少の参考になれば幸いです。

